川本町指定文化財解説

県指定有形文化財 

木谷石塔(木谷) 
木谷石塔(木谷)  この塔は川下地区において、昭和47年の災害復旧工事にともない昭和54年に調査が実施されました。石は花崗岩を加工した九重塔であったと思われ、現在は一重を欠いた状態となっています。建立は延文3年(1358年)であることがわかり、数少ない山陰の石塔の中で建立年代が明確なものの中では、最古のものです。
石質は、来待石に似た比較的柔らかい砂岩質で、塔の下には供養のための経石(梵字書)が納められていました。
丸山城(三原)
 丸山城跡

有形文化財(史跡) 丸山城は、三原と田窪にまたがる標高482メートルの頂上にありました。中世に安濃・邇摩両郡と邑智・那賀郡の一部、鹿足・美濃を含む8村を統治した小笠原氏の最後の山城で、石見地方の中世の山城として特異な築城構想をもった貴重な山城跡となっています。現地は、本丸(主郭)の石垣をはじめ、西の丸(二の郭)の礎石建物跡が多数確認できます。西の丸からは竈(かまど)跡が確認され、日常生活の陶器類も見つかったことから文献資料と併せ城主が西の丸に居住していたこともわかっています。

 詳細はこちら

google マップ

 

町指定有形文化財

谷戸経塚[指定第1号](谷戸)  有形文化財(建造物石造)
谷戸経塚[指定第1号](谷戸)  有形文化財(建造物石造)  この経塚は、文政2年(1819年)5月に経石が石見焼の「はんど(水甕)」に納められて土中に埋納されていたことがわかっています。経塚という石碑があることにより、時期・発願者・内容が明らかにされていることで、経石には法華経、そして埋納に際しては土鎮祭的行為の行われたことや埋納手順が推測されることなど貴重な遺物です。またこの石見焼の「はんど」は、遠くは北海道などでも見受けられることから、国内交易により各地にもたらされたようですが、現存する最古のものとして大変貴重なものとなっています。  
全長寺文書 16通[指定第2号]  有形文化財(古文書)   
 全長寺文書 16通[指定第2号](かわもと図書館蔵)  有形文化財(古文書) 市井原にある全長寺は、天正3年(1575年)に改装されています。指定された文書は、吉川元春関係の書状や江戸時代(正徳〜享保年間)の大森御役所関係の16通です。中世・小笠原氏の山城、温湯(ぬくゆ)場の麓の寺でありながら、寺僧が毛利氏のために働き、同城が落城したと云われています。このため吉川元春からの書状や寺領安堵の書状から戦国時代当時の様子を知る貴重な手がかりとなっています。また、町内郷土史家の解読により、同寺が弓ヶ峰八幡宮から招待されなくなったことへの苦情の文書もあり、江戸時代末の神主・村役人と僧との複雑な人間家系を伺い知ることができます。  
坂原家文書 年貢割附85通、年貢皆済目録91通[指定第3号](かわもと図書館蔵) 有形文化財(古文書)
 坂原家文書 年貢割附85通、年貢皆済目録91通[指定第3号](かわもと図書館蔵) 有形文化財(古文書) 三俣の坂原家は天領大家組邑智郡三俣村の庄屋でした。指定となった二種の文書は、大森代官から庄屋にあてたもの。年貢割附書は、各戸の田畑に対し年貢を定めたもので、年貢皆済目録は年貢の領収書というものです。町内郷土史家の解読により、これらからみると一度決定した率は、豊凶にかかわらずめったに変えていないことや年貢の分納を許していたことがわかります。 こうした文書が、一軒の庄屋からそれぞれ百通近くも見つかることは極めて珍しいことです。
正連寺楼門[指定第4号] 経堂[指定第6号](南佐木) 有形文化財(建造物)   
寛延4年(1751年)建立と伝えられる楼門は、石見三大門の一つと呼ばれ、3間1戸8脚という構造の建物です。大きさと共に扉に彫り物で飾られた紋額や木鼻(きばな)・蟇股(かえるまた)等の彫刻文様が精巧にできています。建立年代を決定する棟札や普請帳が未確認ですが、楼門の木戸に装飾された彫刻版木の墨書から18世紀中頃と推定されています。
経堂は、3間四方の宝形屋根をのせた土蔵造り。輪蔵(※1)のため鞘堂(さやどう)という覆い堂となっていて、元文2年(1737年)に造られたものです。同寺の諸堂の中ではもっとも古いものです。また輪堂をもつ経堂は県東部では皆無であり、石見地方でも希少な建物と云われています。内部には八角形の輪蔵があり、木版の一切経である大蔵経2100余冊が収まっています。この輪蔵の中心に溥大出の像とその子ども2子が安置されています。輪蔵が回転することから経の出し入れが便利であるとともに、回すことによって大蔵経の功徳をいただいてほしいという願いをこめて造られたものです。  
正連寺楼門[指定第4号]正蓮寺経堂[指定第6号](南佐木)正蓮寺輪蔵

※1 経堂の中に設置された経箱を建物の中心の心棒に取り付け、自由に回転させて所有の書物を取り出すことのできる仕組みの蔵です。 元来は、中国の禅宗寺院で使用されたもので、これにならったものです。
 天満宮ムクノキ[指定第5号](木路原)  記念物(天然記念物)
 木路原むくの木 木路原の地で天下太平・四海静謐(しかいせいひつ)を祈願して祭られる天神様の祠のご神木として崇められています。平成元年(1989年)度第4回自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査)により、環境庁の全国巨木ベストテン(ムクノ木の部)で9位(県内では1位)にランクされるほど国内でも貴重な巨木です。町では銘木的な価値のみならず、人々の身近な自然とふれあいの場を提供する地域のシンボルとして心の拠り所とすべく町の文化財として認定しています。  
 イズモコバイモ[指定第8号](谷戸)
イズモコバイモ(ユリ科バイモ属)は、島根県だけに自生する極めて希少性が高い植物で、環境省のレッドデータブックで絶滅危惧種に指定されています。
川本町谷戸地区には全国でも希な群生地(921平米)が存在し、地元の人々は、春になると可憐な花を咲かせるこの植物が、そのように貴重な植物とは知らない頃から保全活動を行い、守ってきました。
早春の開花時期には町内外から多くの愛好者が訪れ、その可憐な姿が愛でられています。
イズモコバイモ1イズミコバイモ2